読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ぼたんえびの雑記

クラシック音楽を中心に適当な事をだべるサイトです。どうか気軽にお読みくださいm(_ _)m

ジュリーニ

指揮者

紳士、聖人と言われたカルロ・マリア・ジュリーニ(1914〜2005)は、その音楽性と人生に私ぼたんえびが多大な影響を受けている人物である。

 

権力志向はゼロ、家族を優先して迷うことなく有名オーケストラのポストを蹴るなど、彼の聖人君子ぶりを伝えるエピソードは数多く存在するし、リハーサルを見ていても決して驕りたかぶらない彼の人間性が見えてくるよう。あの常に微笑みをたたえた音楽とは違って実は嫌な奴だったっぽいワルターとは異なり、ジュリーニは自身の性格をそのまま反映したかのような音楽性を持っていた。

 

テンポは基本的にゆっくり、とめどもなく崩れたり、我を忘れるほどに燃え上がることがなく、常に格調の高さを保ち、まさに大海のように悠然と構えて光彩陸離たるカンタービレを奏でる。(褒めすぎか

重厚でスケールの大きなクレンペラーと穏やかで明るいワルターを足して2で割ったような音楽と言っては短絡的だし失礼かもしれないが、私からするとこの両者のいいとこ取り=夢のような指揮者である。何よりも、彼のような人間になりたいと思う今日この頃。

某巨大掲示板にもジュリーニのスレがあるのだが、ファンまでもが基本的に紳士揃いでスレが荒れることがほぼないということも感動的である。

 

※スリルや興奮、熱気、狂気などを求めている時には聴いてはいけない。そういった時に聴くと多分死ぬほどつまらない。

そういった時はおとなしくテンシュテットとか、バーンスタイン、フルヴェン、スヴェトラ、クライバーあたりのそっち方面のスペシャリストを聴きましょう。

 

録音は多めだが、レパートリーは狭いのである程度網羅することはたやすい。この指揮者は一定のポストに就いた時期が極めて少なく、様々なオーケストラを指揮している。そしてさすがは紳士、オーケストラの個性も尊重した音楽作りをしたので、指揮者とオーケストラ両者の音楽性を楽しめる1度で2度美味しい演奏であることも魅力的であるし、意外とオケの魅力をも伝えられる指揮者は少ないので大変貴重。

大きく彼の録音歴は4つの時期に分けることができる。

 

1.ウォルター・レッグとの共同作業におけるフィルハーモニア管弦楽団との録音。レコード会社は基本的にEMI(現ワーナー)。

 

2.首席客演指揮者となったシカゴ響と音楽監督となったロサンゼルスフィルとの共同作業が中心。レコード会社は基本的にドイツグラモフォン。

 

3.活動をヨーロッパに限定した時期。ウィーンフィルベルリンフィルフィルハーモニア管弦楽団などとの録音。レコード会社は基本的にドイツグラモフォン。

 

4.レコード会社をソニーに移籍。3に挙げたオーケストラ以外にロイヤルコンセルトヘボウ、バイエルン放送響、スカラ座のオケとの録音もされる。

 まず聞いて欲しい時期はズバリ2と3。

ジュリーニジュリーニたらしめた充実した録音群。

もっと言うと70〜80年代の録音を買っておけば間違いない。ほぼハズレなし。シカゴ響とのグラモフォン録音、ロスフィルとのシューマンブラームスファルスタッフウィーンフィルとのブルックナーリゴレットベルリンフィルとのフランクとベートーヴェン第九、フィルハーモニア管弦楽団との宗教曲…枚挙に暇がないほどである。

 

そんな中でも特にマーラーの9番、私が最も愛するこの曲の理想的な演奏である。

ピカピカの大理石のような、一分の隙もない、凛とした姿。圧倒的スケール感。

第1楽章の超絶複雑なポリフォニーの断片全てが音楽的に掌握され、歌い込まれている事が信じ難い。2楽章は一つ一つの箇所のテンポの相関関係に卓越したテンポ設計を感じ、3楽章の低音をよく聴かせた奥深い響きと、ヒマラヤ山脈が突如目の前に現れたかのような音の壁に鳥肌。4楽章は逆に粘らず音楽のみに語らせる。全曲を大局的に見たバランス感覚。凄い、凄すぎるぞ………長くなるのでここまで(もう長いが)。

 

1は珍しく爆発しちゃったジュリーニが聴けるヴェルレクと、歌手が異様に豪華なモーツァルトの2つのオペラがオススメ。

4は超個性的演奏揃いの中でもコンセルトヘボウとのラヴェルドヴォルザークが絶美。そして羽毛のような柔らかい響きに昇天しそうになるバイエルン放送響とのバッハのロ短調ミサは外せない。

 

その他、ウィーン交響楽団とのブルックナー2番、ミケランジェリとのベートーヴェンのコンチェルト、アルトゥスからでているウィーンフィルとのベートーヴェンは超オススメ。

 

最後に…前述した話と少し重複するが、どの演奏も共通して、名演と感じるか駄演と感じるかは自分のその時の気分やテンションに左右される。音楽とは皆そういうものであるが、ジュリーニは特にその傾向が強いように思う。

いつも彼の音楽に感動できるような、ゆとりのある心持ちでいつも過ごしていたいと切に願う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

広告を非表示にする